機材なし・知識なしでも女子ボーカリストが簡単に本格レコーディングする7つのプロセス
「本格録音が可能なDAWやMTRは分からない、覚えたくもない」
「でも完成度の高い音楽作品を作りたい……」
そんな女子ボーカリストは歌パートをなるべく奇麗に録音し、その素材をミックス&マスタリングが得意なクリエイターに編集してもらうのが最もコストパフォーマンスに優れています。
ここでは低価格で個人利用できるリハーサルスタジオのCD-Rを活用したセルフレコーディング事例を紹介します。
もくじ
機材なしボーカルが簡単に本格録音する
誰でも作品を発表できる場が増えたことから、歌手活動は多様化しています。
PPAPで世の中を席巻したピコ太郎。YouTube動画からメガブレイクしたのは、誰もがその「可能性」があることを証明しています。
発表後数カ月間で誰もが知るテレビコマーシャルに引っ張りだこなんて夢のようですね。
自らの歌(パフォーマンス・作品)をYouTubeで発表することは駆け出しのシンガーにおいても主流です。本格的なDAW(デジタルオーディオワークステーション=パソコンで使用する多重録音&編集アプリのこと)で作り込んだ作品を発表する人もいれば、スマートフォンなどの自撮り動画などのクオリティーはバラバラ、弾き語りやカラオケなどそのスタイルも多様です。
Periscopeやツイキャスの生配信も珍しくありません。
継続的にパフォーマンスを続けた努力が実りファンやフォロワーが増えると、ワングレード上げた商品価値のある音楽作品を発表したくなるのは自然の流れ。
しかし、録音機材や音楽制作に詳しい知り合いが身近な場所にいないボーカリストはどうすればよいのでしょう。
ノウハウはブログなどで無数に得られますが、機材を購入しそれらを習得するためには多くの場数や経験が必須です。
自身の「歌」に自信があれば、自前で全部やることにこだわらずそれが得意なクリエイターと連携してハイクオリティな音楽コンテンツを増やしていくことが賢明です。
機材なしでボーカル作品を作るための制作方法は苦肉の策から
僕は録音された音声をリフォームするサービスを運営しており、録音環境に恵まれないミュージシャンやボーカリストの作品を手がけることも多いです。
この記事で紹介する制作するフローは、そんなユーザーさんに苦肉の策として提案した方法です。
機材に詳しくない女性ボーカルさんがこれまで、録音をサポートしていたメンバーの都合で、録音機材が何もないままセルフ録音せざるをえない状況になりました。そんな相談から苦肉の策として採用した方法でした。
しかし、仕上がった結果が良かったため、その後も継続的にこの方法をブラッシュアップして作品制作が行われています。
レコーディングに詳しくない女子が読むべき大前提の基礎知識
プロ歌手がリリースするCDや配信音源の99%はマルチトラックレコーディングという方法で録音されています。
カラオケボックスで歌っている時に、スマートフォンで録画したら、カラオケの音や自分が歌っている音、友達が騒いでいる物音まで、全部が一緒に録音されるのは分かりますよね?
マルチトラックレコーディングは歌は歌だけ、ドラムはドラムだけ、ギターはギターだけ、ライブアルバムだったら、会場の歓声用にと、後でそれらのバランスを調整できるようにそれぞれ個別に録音します。
それを音作りのプロであるミキシングエンジニア(ミキサー)が一つ一つの音を奇麗にまとめ、迫力が出るように音作り(ミックス)をします。
カラオケでいうエコーなど、音作りをするためのエフェクターもこの時点で調整されます。
ですので、ここから先の手順は「歌」だけをなるべく奇麗に録音して「音作りができる人」に渡すための手順と理解してください。
1. カラオケの準備(スマートフォンやiPodなど)
まず自分の歌を録音するためのカラオケを用意します。
カラオケは歌うときだけではなく、後から音作りをしてもらう人に渡さなければなりませんので、MP3などのオーディオファイルで準備しておきましょう。(手に入れられる場合はwavやaiffなど、非圧縮の高音質なもの)
スタジオでは「歌声」だけをなるべく奇麗に録音したいので、カラオケは「ヘッドフォン」で聞きながら歌います。
ですので、ヘッドフォン(いつも音楽を聴くときに使うものでOK)も用意しておきましょう。
参考:今さら聞けない!? WAV、MP3など音楽ファイル形式のおさらい
2. リハーサルスタジオの予約
バンドなどが利用するリハーサルスタジオを予約します。おおよそのスタジオは広めの部屋でも空いている時間に安い価格で使用できる「個人練習プラン」が存在します。スタジオによっては当日か前日にしか予約できない場合もありますので、調べておきましょう。
都内でチェーン展開するリハーサルスタジオNoah(池袋店)さんの料金プラン
なるべく良いマイクを借りる(種類によっては当日でも可)
初めて録音する人やロックやダンスのパンチ系の曲ならSM-58というスタジオ定番のダイナミックマイクで十分です。(追加料金がなくお得)
しかし、繊細なバラードや細かなニュアンスが必要な本格的なアコースティック曲なら、コンデンサーマイクをレンタルしましょう。
うまく使いこなせれば、後の音作りのグレードに影響します。(録音の感度が高いので、セッティングがわりと難しい)
無料レンタルできるレコーディング用の高音質ヘッドフォン(SONY MDR-CD900STなど)がスタジオの貸し出しリストにあったら迷わず追加で借りておきます。
スタジオ当日
3. カラオケ再生の準備とマイクセッティング
スタジオのお兄さんに「マイクからスタジオ備え付けのCD-Rに録音する方法」を確認します。※予約時に相談してみるとセッティングしてくれる優しいお兄さん(お姉さん)も存在します。
コンデンサーマイクをレンタルする時はマイクに電源を供給するためのファンタム電源のボタンも確認しておきましょう。
都内のリハーサルスタジオNoah(池袋店)さんのオプション機材リスト
コンデンサーマイクも充実していますね(この中だったらRODE NT-Kが個人的に好みです)