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歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手

ひと口に「歌が上手い」と言っても、その方向はさまざま。

驚異的にピッチ(音程)が安定していたり、超人的な音域があったり、絶妙なリズム感を持っていたり、圧倒的な歌声であったり。

今回は、そんな様々な方向から「歌が上手い」と定評のある女性シンガーさんたち、また僕が長年のボーカルプロデューサー、ボイストレーナーとしての経験から「この人は上手い!」と思う女性シンガーさんたちをピックアップしてみました。

もちろん、シンガー、ボーカリストの魅力は必ずしも「歌の上手さ」にだけあるわけではありませんが、たまには「上手さ」にこだわって聴いてみるのも良いのではないでしょうか?

シンガーを目指す方のご参考にもしていただけると幸いです。

歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手

決戦は金曜日吉田美和(DREAMS COME TRUE)

近年では日本人シンガーの中にも本場の黒人シンガー顔負けの歌を唄う方も多いですが、吉田美和さんのボーカルは、そんなパワフルさを持ちつつも、日本人的な繊細さ、日本人の琴線に触れるポップさを失っていないところが多くの人に支持される理由なのでは?と思います。

そんな「日本人ぽさ」は残しつつも、この曲では、なかなかリズム……。

特にR&Bのような16ビート系のノリには乗せるのが、難しい日本語の歌詞を見事に歌いこなしてグルーブを作り出しています。

そんな「リズム感」と「グルーヴ感」に注目してぜひ聴いてみてください。

Kei Takahata

気づいてよ… I Love YouLily

このLily.さん、一聴してわかるような超人的な音域や声量を誇るようなシンガーさんではありませんが、声の「癒やし成分」と言われる1/fの揺らぎの歌声を持つシンガーさんで、その歌声は常に優しい魅力を放っています。

非常に心地いい高次倍音成分を持った地声から優しいファルセットボイスまで、絶妙に発声を使い分けて絶妙な歌唱表現を披露してくれています。

優しい癒やしの女性ボーカルをお探しの皆さんに自信を持ってオススメしたいシンガーさんです!

Kei Takahata

BelieveChe’Nelle

シェネルのサードアルバム『ビリーヴ』収録曲で2012年7月リリース。

2012年7月13日に公開された映画『海猿』の第4作・『BRAVE HEARTS 海猿』の主題歌に抜てきされましたね。

とても壮大なバラード曲ですが、力強く、どこまで伸びるハイトーンと表現力豊かな歌唱は、とても日本人離れしたものを感じさせてくれます。

ハイトーンの練習素材としても最適な楽曲だと思いますので、歌がうまくなりたい方はぜひ彼女の歌を研究してみてくださいね!

Kei Takahata

地上の星中島みゆき

中島みゆきさんは、日本のシンガーソングライター。

1975年にシングル『アザミ嬢のララバイ』でメジャーデビューし、それ以来、現在に至るまで数々のヒット曲を送り出しています。

その歌声、歌唱ともにとても個性が強いシンガーなので、聴く人によって好き嫌いは大きく分かれるような気がしますが、その「独特な声」の特徴を最大限に活かした歌唱、歌唱表現力には特筆に値するものがあり、そんなところがデビューから半世紀近くの長きに渡って、音楽業界の第一線で活躍できている大きな魅力になっているのではないでしょうか。

彼女が作曲する楽曲は、ボーカルメロディだけを抜き出してみると使われている音域もさほど広くなく、ややもするとメロディ的には平坦なものも少なくないですが、しかし、それでも彼女が歌えば、とてもドラマティックな楽曲に変貌させてしまう、その高い歌唱表現力には聴く人を圧倒するものがあるように感じます。

Kei Takahata

京都から博多まで藤圭子

『京都から博多まで』は、感情の海を越える響きで聴く者の心に刻まれます。

藤圭子さんの深い歌声は、愛する人を求めて旅立つ一人の女性の決意と、列車の旅の孤独を色濃く描写しています。

その豊かな表現力と圧倒的な存在感は、聴き手をその時代と情景へと誘い、深い感動を与えます。

また、繊細ながらも力強いボーカルは、音楽の持つ感情移入の力を改めて実感させる作品であり、時を越えた名曲として語り継がれる理由を明確に示しています。

哀愁を帯びたメロディと日本の情景が織り成すハーモニーこそが、この楽曲の真髄と言えるでしょう。

RAG MUSIC 編集部

青空Salyu

小学生の頃に風邪をこじらせて肺炎で入院した経験から、「体力をつけるため」と歌を始めて、クラウン少女合唱団に参加したという彼女、この曲でも幼少時のその経験を存分に活かされたものと感じられる、非常に滑舌のいいキレイな歌詞の発音に驚かされます。

そして圧巻はサビ終わり部分の超絶ハイトーンの歌唱。

前述の合唱団では童謡や近代音楽、賛美歌などを歌っていたとのことですが、そういった経験に基づいたものと思われる、決して絞り出すような「苦しさ」を感じさせない、どこまでも伸びるようなハイトーンは聴く人の心をぐっと引き寄せるパワーに満ちていますね。

Kei Takahata